軽キャンピングカーの電源は、一見シンプルですが意外と複雑です。
- メインバッテリーとサブバッテリーの違いは?
- 12V直結とインバーター経由の違いは?
- 外部電源はどこにつながっている?
- 走行中に何ワットまで使っていい?
今回は、200Ahリチウム+2000Wインバーター搭載の軽キャン実例をもとに、他のキャンピングカーにも通じる電源の基本を整理します。
メインバッテリーとサブバッテリーの違い
■ メインバッテリーとは
すべての車に搭載されているバッテリーです。
役割は:
- エンジン始動
- 純正ナビなどの車両電装品
- 運転席周りにあるシガーソケットやUSBソケットの電源
いわゆる「車のバッテリー」というのはこれのことです。
エンジン停止中には基本的には使用できないバッテリーです。
ヘッドライトやルームライトもメインバッテリーを使用していますので、エンジンを切った状態でつけっぱなしにしていると、バッテリーが上がってしまいますよね。
ちなみにエブリイワゴンのトランクルームについているシガーソケットもメインバッテリーから電源をとっています。
■ サブバッテリーとは
キャンピングカーや車中泊仕様車に追加されるバッテリーです。
役割は:
- 冷蔵庫
- 12Vクーラー
- キャンピング居住スペースに付いているシガーソケットやUSB
- 電子レンジ等の100V機器
普通の乗用車には基本的に搭載されていません。
今回購入した車の仕様は 200Ahリチウムバッテリーです。
軽キャンの中ではかなり大容量のサブバッテリーです。
電気の単位をかんたん解説(超基本)
ここで前提となる単位について、簡単に解説しておきます。
キャンピングカーの電源を理解するには、この5つを知っておけばOKです。
■ V(ボルト)=電圧
電気の「押し出す力」。
家庭用は100V、車は12V。
■ A(アンペア)=電流
電気の「流れる量」。
■ W(ワット)=消費電力
実際に使う電力。
W = V × A
例:100V × 10A = 1000W
■ Ah(アンペアアワー)=容量
バッテリーのタンク容量。
私の軽キャンは200Ahを搭載。
100Aを2時間使える計算(理論値)
■ Wh(ワットアワー)=電力量
何Wの家電が何時間使えるか
Ah(容量)×V(電圧)
200Ahのサブバッテリーなら
200Ah×12V=2400Wh
理論上100Wの家電を24時間使えることになります。
インバーター変換による損失や、使い切りによるバッテリー寿命の低下を考え、実際には2000Whぐらいを目安にしておくと良いです。
この軽キャンの電源構成(実例)
【メインバッテリー系】
- エンジン始動
- ナビ、ドラレコ
- 純正電装
- トランクルームのシガーソケット
メインバッテリーの容量は40Ah程度です。


【サブバッテリー12V直結】
12Vのサブバッテリーから直接電源をとっているものです。エンジン始動とは関係のないバッテリーですので、エンジン停止中に使用できます。
また、これらは、インバータースイッチがOFFのままでも使用できます。
- 12Vクーラー
- 冷蔵庫
- 後席USB
- 後席シガーソケット
- LED照明
- 換気扇


今回購入の車両には、ナビ切り替えスイッチが付いており、ナビの電源をサブバッテリーに切り替え、停車中にナビのテレビを観たり、スマホと連携して音楽を聴くことができます。
【インバーター経由100V】
12Vサブバッテリーの電力をインバーターを介して100Vに変換して使用するものです。
エンジン停止中に家庭用コンセントの家電が使用できます。
これらはインバータースイッチをONにしないと使用できません。
- 電子レンジ
- 室内100Vコンセント

【外部電源100V】
RVパーク等に行くと、外部電源が使用できるところがあります。
外部電源を接続すると、長時間コンセントが使用できるようになり、同時にバッテリーにも充電してくれます。
- トランク100Vコンセント直結
- 充電器経由でサブバッテリー充電
ただし、大容量の家電を使用する場合は注意が必要です。(あとで解説しています)

12V直結とインバーター経由の違い
■ 12V直結
サブバッテリーからそのまま電源をとる方式。
メリット:
- 電力ロスが少ない
- 発熱が少ない
- 効率が良い
■ インバーター経由100V
サブバッテリーは12Vですが、インバーターを介して100Vに変換することで、家庭用コンセントに挿して家電が使用できます。
サブバッテリー(12V)
↓
インバーター変換
↓
100V家電
ただし変換による損失があり、12V直結より使えるワット数は減ります。
変換効率は約85〜90%です。
高出力家電を使用したいなら12V直結の方が有利です。
インバーター容量、サブバッテリー容量について
この車は200Ahのサブバッテリーと、2000Wのインバーターを搭載しています。
軽キャンとしてはやり過ぎと言って良いぐらいの充実装備です。
■ インバーター容量について
キャンピングカーのインバーター容量は一般的に1000W~2000W程度が多いですが、それはどれぐらいの出力の家電を一度に使えるか?
ということに関係します。
1000Wの家電と、500Wの家電を同時に使用した場合、1000Wのインバーターだとブレーカーが落ちたり、インバーターが停止したりしますが、2000Wのインバーターなら余裕をもって使えるということになります。
下記の表でもわかるように、2000Wのインバーターでも、電気ケトルや電子レンジ、ドライヤー等は消費電力が大きいため、同時使用の際には注意が必要です。
インバーターについては、こちらの記事でも解説していますので参考にしてください。
➤軽キャンのインバーターは何W必要?2000Wはいらない?家電ごとの消費電力で解説
■ サブバッテリー容量について
サブバッテリー容量は、どれぐらいのワット数の家電を、何時間使えるか?
ということに関係します。
例えば200Ahのサブバッテリーは、電圧が12Vですので
200×12=2400Wh
使用できることになります。
100Wの家電なら24時間
1200Wの家電なら2時間使用できます。
ただし、バッテリーは使い切ると容量が低下し、寿命が短くなりますので注意してください。
サブバッテリーについては、こちらの記事でも解説していますので参考にしてください。
➤軽キャンの電気はどれくらい使える?サブバッテリー200Ahの使用時間を実測イメージで解説
各家電の電力消費量の目安
| 家電 | 消費電力の目安 |
|---|---|
| スマホ充電 | 10〜20W |
| タブレット | 約20W |
| ノートPC | 50〜100W |
| ポータブル冷蔵庫 | 40〜70W |
| Wi-Fiルーター | 約10W |
| 小型扇風機 | 10〜30W |
| 電気毛布 | 40〜80W |
| 小型炊飯器 | 200〜300W |
| 車載テレビ | 50〜120W |
| 小型コーヒーメーカー | 300〜500W |
| 12Vクーラー | 300~700W |
| ヘアアイロン | 300~800W |
| セラミックヒーター(小型) | 400~800W |
| 電子レンジ | 800〜1200W |
| 電気ケトル | 1000〜1300W |
| ドライヤー | 1000〜1500W |
| ホットプレート | 約1000W |
走行充電はどれくらい使える?
走行充電とは、車を走らせることによりバッテリーを充電させる仕組みです。
走行することによりメインバッテリーもサブバッテリーも充電されます。
走行充電器は 12V 30Aまたは50A仕様。
理論値
30A × 14V ≒ 約420W
50A × 14V ≒ 約700W
実効値(ロス考慮)
30A → 約300〜350W
50A → 約450〜550W
常用は300~500W以内が安全圏
それを超えると、充電量より使用量が上回ってしまい、バッテリーに負担がかかり、バッテリー寿命を縮めることになります。
スマホも充電しながら動画視聴等をしていると、バッテリーの寿命が短くなると言われていますが、それと同じですね。
走行中に使っていいW数の目安
■ 安全圏は
300〜500W以内
走行中に使用しても大丈夫です。
■ 条件付き
600W前後
短時間の使用なら問題ありませんが、長時間使用は避けましょう。
■ 非推奨
700W以上の長時間使用
高出力の長時間使用はバッテリーに負担がかかり、バッテリー寿命を縮めます。
高出力家電(電子レンジ・ケトルなど)は停車中に使うようにしましょう。
走行充電については、こちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
➤軽キャンの走行充電はどれくらい充電できる?サブバッテリー200Ahで解説
外部電源の注意点
外部電源は通常15A契約。
100V × 15A = 1500W
1500Wが上限です。
それを超えるとブレーカーが落ちます。
ふたつ以上の家電を同時に使うと単純に足し算になりますので
電子レンジを使いながらケトルでお湯を沸かすなどの使用は避けましょう。
まとめ
- メインバッテリーはすべての車に搭載されている始動用電源
- サブバッテリーはキャンピングカーの生活用電源
- 停車中の高電力家電使用はインバーター容量を考慮
- 長時間使用する場合はサブバッテリー容量を確認
- 走行中は300〜500W以内が安心
- 1000W級家電は停車中向き
電源の仕組みを理解することが、
キャンピングカーの装備を最大限活かし
バッテリー上がりや機器トラブルを防ぐ最大の対策です。
今回解説した内容は、私の車両の例ですが、多くのキャンピングカーに共通する部分もあります。
今後購入を検討されている方や、既に所有していても詳しくわからないという方に参考にしていただけると嬉しいです。



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